科学のplace。
大学からの帰り、コーヒーでも飲みながら本を読もうと喫茶店に立ち寄ったが、そこにあった新聞にオバマ大統領就任演説全文訳が載っているのを見て、つい読みふけってしまった。
まったく見事なまでの国威高揚演説だ。現状の危機を訴えながら、世界ナンバーワンの国(少なくとも国民はそう思っているだろう)であるというアメリカ人のプライドをくすぐり、団結を訴える。
日本の総理大臣もこのぐらい演説能力が高ければ、あんなに内閣支持率が下がることもなかろうに。
…ま、国民にとって最悪なのは、演説能力が実務能力より遥かに高い政治家なので、それに比べればマシなのかも知れないけれど。
それはともかく、研究者としては、オバマ大統領が『We will restore science to its rightful place』なんて言ってくれているのが少しうれしいわけで。
日本の総理大臣が就任演説で科学を応援したことなんてあったかしら?総理官邸ホームページで就任時の所信表明演説から『科学』の2文字を検索すると、麻生総理の所信表明演説では『科学と技術が経済復興に当たっての強み』みたいな発言はあるけど、これじゃ科学は経済の下僕っぽいなあ。福田康夫内閣では、『科学技術の発展に向け、戦略分野への集中的な投資を促し、…』云々、安倍内閣では発言なし、小泉内閣では『産業競争力と質の高い国民生活の基盤となる科学技術分野への』云々、と。
どうやら日本の政治においては科学の『place』は『金を生む木』ってことらしい。
ちょっとアメリカに移住したくなってきたぞ?
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